核医学検査
核医学検査
核医学検査とは

核医学検査は放射性同位元素(Radio Isotope)の頭文字をとりRI検査ともよばれます。
核医学検査は、放射性同位元素と呼ばれる放射線を出す物質を含んだ薬品(放射性医薬品)を注射などにより体内に投与します。そして、臓器や病変部に取り込まれた薬品から放出される放射線を専用の装置で検出し、画像にする検査です。
放射性医薬品から放出される放射線

核医学検査では放射線を出す放射性医薬品を体内に投与するため、放射線による被ばくがある検査です。しかし、投与する放射性物質は極微量かつ半減期(放射能が半分になる時間)の短いものを用いているので検査後、数時間~数日で放射能がなくなる特徴があります。検査後は一時的に放射線による被ばくがありますが、人体に影響を与えることはありません。
核医学検査での被ばく量はCTや胃透視検査と同じぐらいですので安心して検査をお受けください。また、小児の検査では体重により放射性医薬品の量を調整し、被ばく量を軽減しています。
装置の紹介
当院での核医学検査は次の2台を用いて行っています。
ガンマカメラ装置は心臓の筋肉や脳の血流量を計る検査、骨や内臓の代謝を調べる検査などに使用しています。
PET/CT装置は体内のブドウ糖の代謝を調べる検査に使用しています。

ガンマカメラ装置名:SIEMENS社製 Symbia Intevo Bold

PET/CT装置 SIEMENS社製:Biograph Horizon
核医学検査について
核医学検査の撮影は仰向けで寝た状態で30分ほどかかります。痛みや苦痛のある検査ではありません。
当院で行っている核医学検査のうち、代表的なものを紹介します。
骨シンチグラフィー
目的:骨の代謝を調べる検査です。この検査により骨の代謝の異常箇所が分かります。
検査手順:検査薬を注射し2~3時間後に撮影します。撮影時間は約30分です。

骨シンチグラフィー
検査風景

骨シンチグラフィー
画像の一例
骨の異常箇所が黒く写っています。
脳血流シンチグラフィー
目的:脳の血流の量を計る検査です。この検査により認知症や脳血管の障害が分かります。
検査手順:検査薬を注射し10~20分後に撮影します。撮影時間は約30分です。

脳血流シンチグラフィー
検査風景

脳血流シンチグラフィー
画像の一例
脳内の血流が多い場所が赤く表示されています。

脳血流シンチグラフィー
正常データとの比較
健常者に比べ、どの箇所の血流が低下しているか表示します。認知症では特定の領域の血流が低下することが分かっています。
PET/CT検査
目的:体内のブドウ糖の代謝を調べる検査です。
この検査では、がんや炎症の有無、性質や大きさ・場所の特定、周りの臓器・組織への影響などが分かります。(ただしPET/CT検査では見つけにくいがんもあります)
またPET/CT検査は食事や運動の影響が出やすい検査ですので、検査前にはいくつかの注意点があります。
検査手順:検査薬を注射してから1時間ほど安静に待っていただき、約20分~30分撮影します。
撮影後、放射能が減衰するのをまって検査を終了します。

PET/CT
撮影風景

PET/CT
画像の一例
肺の糖代謝の高い腫瘍が写っています。
核医学検査に関わるスタッフ
当院の診療放射線技師の中には、核医学検査の専門的な知識・技術を有する核医学専門技師が2名と、放射能を専門に取り扱う第一種放射線取扱主任者が4名在籍しています。放射能、検査への質問はスタッフへご相談ください
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