放射線治療

はじめに

放射線治療は手術、薬物療法とともにがん治療において大きな役割を担っており、
岐阜県東濃医療圏を担う基幹病院として、放射線治療部門の充実をはかっております。

実施している放射線治療照射技術・周辺技術

〇 三次元原体照射 (3D-CRT:3Dimensional Conformal Radiation Therapy)
〇 強度変調放射線治療 (IMRT:Intensity-Modulated Radiation Therapy)
〇 定位放射線照射 (STI:stereotactic irradiation)
       → 定位手術的照射(SRS:stereotactic radiosurgery)
       → 定位放射線治療(SRT:stereotactic radiotherapy)
       → 体幹部定位放射線治療(SBRT:Stereotactic Body Radiation Therapy)
〇 画像誘導放射線治療 (IGRT:image-guided radiotherapy)
〇 呼吸同期放射線治療
〇 四次元コンピュータ断層撮影 (4D-CT:4-dimensional computed tomography)

放射線治療診療体制

放射線治療科

放射線治療の専門科を設置し、高度化する放射線治療を実施しております。
放射線治療専門医     常勤医師 2名、非常勤医師 2名

放射線治療技術部門

学会認定資格を有する診療放射線技師を中心として、放射線治療技術を支えています。
放射線治療部門専従技師3名を含む7名
( 内 認定資格者 放射線治療品質管理士 3名、放射線治療治療専門放射線技師 3名、医学物理士 2名)

看護部門

専従看護師が放射線治療看護を担います。
放射線治療専従看護師   常勤看護師 2名、非常勤看護師 1名
( 内 がん看護専門看護師1名 )

2017年度 治療件数

放射線治療患者数 512名
内 〇 IMRT
     前立腺 38例
     頭頸部 30例
     その他の部位 20例
  〇 定位照射
     脳   90例
     肺   23例
     その他  3例

放射線治療システム

放射線治療装置

放射線を体の外から照射して、主にがんに対して治療を行う装置で、一般にリニアックと呼ばれます。
当院では下記の2台の装置が稼働しています。
Novalis TxとTrueBeamを用いて、それぞれの長所を生かし、前立腺がんや頭頸部腫瘍に対する強度変調放射線治療や、脳腫瘍、肺がん等に対する定位放射線照射、その他、乳がん、食道がん、転移性骨腫瘍等、あらゆる身体部位の適応となる疾患に対して放射線治療を行っています。

novalis
BrainLab/Varian社製 Novalis Tx
exl15dp
Varian社製 TrueBeam
operation

放射線治療装置 オペレーションルーム

放射線治療計画用CT

放射線治療計画用CT室をそなえています。ここで目的の部位に正確に照射するために、照射技法や患者さんの状態に合わせた固定具の作成も行います。当院の放射線治療計画用CTは4D-CTの撮像に対応しており、呼吸による臓器、患部の動きの評価が可能です。

planningCT1
GE社製 Optima CT580W
planningCT2
肺がん治療を目的とした固定具と4D-CT撮影の様子
呼吸波形取得のための器具を使用しています。
(写真のモデルは当院スタッフ)

放射線治療の流れ

1.放射線治療医、看護師による診察と説明

はじめに放射線治療医による診察があります。これまでの検査等の結果より、体のどの部位に、どの装置を使って、どれくらいの放射線の量を当てるかといった治療方針を決定します。患者さんの要望や生活状況、不安等をお伺いし、治療中の注意事項をお伝えして最後まで安心して放射線治療を受けていただくようにサポートします。

2.固定具の作成と治療計画用CT撮影

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治療計画用CTの様子
(すべて当院スタッフによる説明用写真)

放射線治療は、毎回同じ姿勢で治療を行うことがとても重要です。そのため、患者さん個人個人に合わせた固定具を作成する場合があります。
また、CTを撮影する際に体の表面に印を付ける場合があります。この印は放射線治療を行うときに必ず必要になります。日々の生活の中で消えないように注意してください。なお、ご自身で線を書いたりしないで、スタッフにおっしゃってください。
作成からCT撮影終了までおおよそ15分~30分となります。

3.治療計画

撮影したCT画像をもとに放射線治療計画を立てます。治療計画では、コンピューター上で放射線の当てる方向や専門医の処方した放射線量を投与するために体内での線量分布の計算を行い、放射線治療装置の出力を決定します。計画された治療計画をもとに様々な検証を行い、正確性、安全性を確認します。

4.治療開始

放射線治療は月~金の週5日(土、日曜、祝日は除く)毎日行います。放射線治療室に入り、治療台の上に寝ていただき、治療計画時につけた皮膚マークに従って、治療台を動かして放射線を照射します。

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治療室における患者さんセットアップ
(すべて当院スタッフによる説明用写真)

■放射線治療室で、放射線治療中は患者さんお一人となります。

治療中は操作室側よりモニターで技師、看護師が注視しておりますので心配はありません。治療中に何かご用がありましたら、マイクがありますので声でお知らせください。 声が出せない場合は呼び出し用スイッチを手元にお渡しします。

■治療時間15分~60分程度となります。

治療室に入室してから退出までは個人個人で異なりますが、通常照射では15分程度、高精度放射線治療になると30分~60分程度になります。実際の放射線のでている時間は短時間です。ただし、放射線治療を初めて行う時、放射線の当て方を変更するときなどは時間が長くなります。

■放射線治療には痛みはありません。
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2名の診療放射線技師により、
放射線治療装置を操作します。

放射線が体に照射されても痛みを感じることはありませんので安心してください。

■治療中は体を動かさないでください。

治療中に体を動かしますと、放射線が当たる部位が変わり、がん細胞に放射線十分の放射線が当たらず、関係ない部分に放射線が当たることになります。通常の呼吸は問題ありませんが、大きく咳をしたりするのは出来る限り控えてください。もし、痛み等でじっと出来ない場合はスタッフにご相談ください。(照射法によっては、照射時の短い時間ですが息を止めて頂くこともあります)

5.経過観察

治療が終了しますと、放射線科医師による診察があります。照射録を持って診察室の前でお待ちください。もし、気になるようなことがあれば、医師又は看護師に相談してください。
また診察時に限らず、照射期間中になにかございましたら遠慮無くスタッフにお話し下さい。

品質保証・管理

患部に毎回正確に、処方された放射線の量を投与するために多くの放射線治療システムとスタッフが関与します。質の高い放射線治療を実施するために、必要な精度管理ツールをもちいて品質管理を行っています。
正確に決められた放射線の出力が出来ているか、計画通りに放射線が照射されるかなど、多くの項目のチェックを行っています。当院、スタッフによる品質管理に加え、メーカーによる定期機能維持点検や、第三者機関(医用原子力技術研究振興財団)による出力線量の評価も受けています。

品質管理の一例

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放射線中心軸の精度確認
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呼吸の動きを再現するツールを用いた
呼吸同期照射のための動作確認
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専用デバイスによる
毎朝の放射線出力チェック
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左 呼吸同期システム OFF
呼吸を模した動きにより、
放射線による像がぶれている

右 呼吸同期システム ON
動いていても所定の呼吸タイミングのみに
照射が行われるため像がぶれていない

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3Dスキャニングシステムによる
放射線出力のプロファイル確認作業
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赤外線誘導システムの精度確認
基準線量計の校正

当院の放射線出力管理の基準となる線量計の校正を毎年行っています。
これにより国家標準とのトレーサビリティーが確保されます。

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第三者機関による
放射線治療装置の出力確認

放射線が正しく出力されているか、医用原子力技術研究振興財団による評価を受けています。

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